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都市計画学

趙 世晨教授 / 箕浦 永子助教

 

都市計画とは、人間生活の場としての都市空間をいかに安全・快適に、そして美しく計画し、その実現をはかる技術である。都市計画学研究室では、理論的な基礎を持った実証研究を行いながら、都市計画学分野に関する基礎知識と技術、課題解決のための実践力だけでなく、政策や価値観を多面的に思考させて国内外の事情に通じ、異文化適応能力を持つ人材の育成を目指している。最近の研究テーマは、以下のとおりである。

1. 歩行空間の連続性からみた欧州都市形態の特徴に関する研究
 連続した歩行空間は商業地区の賑わいや回遊性、または日常生活の快適性に寄与するところが大きい。本研究は歩行空間の連続性とは何か、そしてどのように捉えるべきかという問題設定のもとで、欧州代表的な都市を対象に都市形態、歩行空間などを一体的なものとして捉え、その空間の連続性を評価する。
2. 都市風景画が描かれた視点場の推定方法に関する研究
 美しい景観を眺める場所、つまり視点場の位置が都市景観の形成にとってきわめて重要な要素である。本研究は18世紀~19世紀の著名なイタリア画家の作品を研究素材として、カメラ・キャリブレーションという手法を用いて、絵画及び地図の情報から風景画の描かれた視点場を正確に推定する方法を開発し、視点場、絵画、実景の3者の関係を読み解く。
3.画像認識を用いた欧米近代都市の変容に関する研究
 近年、画像認識の技術は数多くの分野で応用されている。情報技術の普及に伴って、都市建築分野においても、これまで以上に画像を取り扱う機会が増えた。そこで、本研究は都市分野における画像認識を用いた先駆的な研究として、地図の画像情報のみで近代都市の変容を定量的かつ定性的に明らかにする。
4. 都市機能の再編に伴う医療施設の配置計画のあり方に関する研究functions
 地域包括ケアシステムの構築とまちづくりとの連携等により、地域全体で市民生活を支えることができる都市構造への転換が求められているという社会的な要請を踏まえて、少子高齢化社会における地域医療サービスの格差を是正するために、地域医療の需給バランスを明らかにし、医療効率の観点から医療施設の立地と移転の傾向を把握した上で、地域医療資源の再配分を念頭に医療施設の配置計画及び医療政策の転換に有用な知見を提示する。
5. 日本を含むアジアの都市史研究
 日本を含むアジアにおける近代移行期の都市を対象に、土地、領域、所有、宗教、産業などの観点から空間と社会を読み解き都市史的に解明する。単なる都市形態の変化を整理することではなく、社会の動態を踏まえ、人々の諸活動によってもたらされた空間の動態を紐解いていく。その成果をもとに、行政、まちづくり団体、地域住民と協働しながら、現存する歴史文化遺産を活かしたまちづくりの実践に繋げる。

主要な研究テーマ:Main Research Topic

  1. 歩行空間の連続性からみた欧州都市形態の特徴に関する研究
  2. 都市風景画が描かれた視点場の推定方法に関する研究
  3. 画像認識を用いた欧米近代都市の変容に関する研究
  4. 都市機能の再編に伴う医療施設の配置計画のあり方に関する研究
  5. 日本を含むアジアの都市史研究