九州大学工学部建築学科


2009年度設計演習作品の紹介

建築設計演習II「集住の計画:集合住宅」

 課題概要
 対 象 3年後期
 開講時期 2009年9月28日(月)〜11月12日(木) 7週間
 担当教員 菊地成朋,竹下輝和,堀賀貴,柴田建
 課 題 この課題では,福岡市の中でも特に個性的な街である大名地区において,生活の器の集まりである集合住宅を設計する。設計に際しては、このユニークな街との関係を組み入れながら、家族の生活の場,都市型集住体のコミュニティをデザインすることが求められる。


 作品紹介(その1)


 タイトル「はみだす生活」       1TE07042P  西亀 和也

現在の集合住宅は生活感をほとんど感じることができない。
これは、家族の生活を四角い箱の中に閉じ込めてしまった結果ではないだろうか。
たくさんの家族が住んでいるはずなのにどこか寂しい雰囲気の集合住宅。
それぞれの家族の生活がちょっとずつはみ出して、賑わいのある集合住宅を作れないだろうか。

そこで、フレームを用いた形態操作により内と外の曖昧になった空間を作り、生活感が外に染み出していくきっかけをつくる。
住戸間や中央の道の上を飛び越えているフレームは、集合住宅全体をとりかこみ、内外の曖昧な関係を作り出す。

バルコニーでは洗濯物を干したりお茶をしたり
庭では自分で作った小さな畑の手入れをしたり
通りからは子どもたちの遊ぶ声が響き
天気のいい日にはお気に入りの場所で読書をしたり
いろんな人のいろんな生活や活動がフレームの隙間からはみ出して
集合住宅にすこしずつにぎわいが生まれる

 

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 作品紹介(その2)

 『つながる まちまち』     1TE07009W 入江奈津子

家の中にはいろいろな場所がある
ドアを開けるといきなり庭だったり、
奥に進むと本がいっぱいある書斎だったり、
さらに進むとまちと繋がっていたり
一歩進めば違う場所に出会える
それはドアを開けて一歩外に出ればまちという
大名に住むことの特徴に似ていると思った

大名の今の集合住宅はとても閉鎖的で、
まちの中での行き来はあるけれど家とまちの間の行き来が少ない
もっと家とまちの間でも行き来が起こったら
まちでの生活といえでの生活が連続して
より豊かなものになるのではないか

まちの中を歩くように家の中を歩いていたらいつのまにかまちに出ていた
そんな家をつくりたいと思ったら
家は細長く伸び、道を飛び越えた
家が道を飛び越えることで中の生活がにじみ出し、
それが連続することで新しいひとつの通りが形成される
家とまちの間を行き来をすることによってにじみ出た生活が
まちにさらなる活気を与え,
まちと人の関係をよりよいものにしてくれないだろうか
 

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 作品紹介(その3)

Honeycomb House          1TE07017W 緒方大地

セルフビルド:自分の思うがままに主に手作業によって住空間をつくりあげること
セルフビルドの手法を通し、住まいをつくる過程にある楽しさ、大切さに改めて目を向けて、希薄になりつつある人と住まいの関係をもう一度見つめなおしてほしい。

ハニカムをモチーフに、そのスケールを様々に変えたもので空間を構成する。部材寸法と接合部を規格化し、住み手はそれを自由に組み合わせて、家具の配置をいじるのと同じ感覚で部屋割〜小さな棚の一つまでつくっていく。そうやっていろんな人が自らの個性を持ち寄って、ひとつの蜂の巣<集住>は成り立ち、時間とともに代謝が行われていく。

「住み手に大きく自由度を残す」こと、「特異な部材を用いたクローズなシステム」、集合住宅というコミュニティ性のあるものだからこそ成立し得ることではないだろうか。
 

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